理事長挨拶
|  |
| 理事長 奥村雅彦 (森ノ宮医療大学) |
| |
渡邊良晴 前理事長の後任とし、平成29年度より日本放射線治療専門放射線技師認定機構の理事長に就任いたしました。 令和2年4月からは、一般社団法人としての機構の理事長として、さらに尽力する所存です。 機構発足前の2001年から2004年にかけて放射線治療施設における誤照射事故の報道がなされ、医療過誤に繋がる要因の潜在性と安全管理体制の重要性への認識を改めて問われるものとなりました。本機構はこうした背景を転換するため、専門性の統一的評価を目的とした認定事業をはじめ、全国での統一講習会開催、直線加速装置や治療計画装置を実際に使用しての実習型講習会などの事業を実施して参りました。診療放射線技師の放射線治療への専門性を高めてきたことで、昨今では種々の施設要件として認識いただけるまでになりました。
コンピュータ技術や機械工学の発展による高精度放射線治療が普及期を向かえた現在、この発展はがん患者に多大な恩恵をもたらしましたが、同時に、診療放射線技師がこれまで以上に多くの専門的知識を修得し、精度の高い診療業務をおこなうことが求められることになってきていると言えます。画像誘導放射線治療や適応放射線治療(ART)のためのDeformable image registration導入は、物理的技術的精度以外に、治療患者の身体的精神的状態の把握とそれに適応した治療技術の選択・適用を必要とします。本機構は、放射線治療を選択されたすべてのがん治療患者さんに、安全で質の高いチーム医療を提供するため、コンベンショナルな技術にとどまらずさらに高次元の高精度放射線治療に対応できる放射線治療専門放射線技師の輩出を目指し、学術教育事業を充実させて参ります。常に患者に寄り添う我々の診療業務に必要なノンテクニカルスキル教育もあわせて充実させながら、放射線腫瘍医、看護師、医学物理士、研究開発者と協調し、関連する学会・団体とともに放射線治療提供体制の充実を進めていきたいと考えています。今後ともご指導、ご鞭撻の程よろしくお願い致します。
|