| ---医療事故の大半は、医療従事者の技術の未熟さ、知識の習得不足、診療に対する独善的な姿勢、品質管理の不徹底などにあるといわれている。放射線治療分野の誤照射事故には重篤な合併症をもたらす過剰照射だけでなく、腫瘍の制御が不能となる過小照射がある。誤照射を誘起する原因として、照射法や位置決め照準のミス、要注意臓器や正常組織に対する防護ミス、投与線量の評価ミス、治療装置や線量計などの取り扱いミス、精度管理の不徹底などがある。放射線治療事故に対してさらなる安全確保を達成するために、放射線治療に関わる者の教育と訓練、放射線治療手順と品質保証プログラムの確立、治療機器や付属機器の整備、本質的な放射線治療情報の共有、独立した検証システムの導入などを組織的に推進していくことが必要と考えられる。 (”はじめに”より抜粋)
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